図書館
AIが可能にした演習、しかし本番には持ち込めない
時間制限つきで演習でき、解いた記録がすべて残る——こうした機能は、以前の予備試験対策では存在しませんでした。AIをはじめとする技術の進歩があってはじめて実現できたものです。ただし、本番の試験会場にAIを持ち込むことはできません。最終的に頭の中に知識を定着させるのは、受験生自身の力です。
ミクロな勉強とマクロな研究
予備試験の勉強には、大きく分けて二つの視点が必要だと考えています。一つは、1問ずつ丁寧に解き、その後に詳しく調べてまとめる「ミクロな勉強」。もう一つは、試験全体がどのような構成になっているか、どういう問題が出やすいかを俯瞰する「マクロな研究」です。演習機能はミクロな勉強を支えるものですが、マクロな視点はそれだけでは養えません。
図書館という「昔ながらの見方」
採点しないからこそ、できること
検索で関連問題をまとめて解く
図書館にはキーワード検索機能があります。1問解いている最中でも、気になった単語をそのまま検索すれば、同じテーマの問題が一覧で出てきます。「脳神経の問題はこれまでどれくらい問われているのか」「どの部分を覚えておくべきなのか」を、その場で横断的に確認できます。
たとえば1問を解いたあとに検索し、関連する5問を見つけて続けて解けば、実質6問分の演習をしたことになります。しかも単発の暗記ではなく、「同じ論点を複数の角度から繰り返し思い出す」形になるため、記憶の定着効率は非常に高くなります。心理学の学習研究でも、繰り返し思い出す(想起する)練習は、ただ読み返すだけの復習よりも長期記憶への定着効果が大きいことが繰り返し示されています(Roediger & Karpicke, 2006, “Test-Enhanced Learning” など)。図書館の検索機能は、この「想起練習」を自然な形で日々の演習に組み込むための仕組みでもあります。
文章を「模様」として見る
最後に一つ、視点の話をさせてください。いま読んでいるこの文章を、「意味のある文章」としてではなく、「どんな形をした白と黒の模様なのか」という目で眺めてみてください。そうした見方の積み重ねが、画像としての記憶——ページ全体の配置や問題文の”かたち”を覚える力——につながっていきます。図書館でまとめて問題を眺める体験は、この画像記憶を鍛える機会でもあるのです。


