実際の問題を解いてみましょう(令和5年度・一部より抜粋)。
正中神経に支配されるのはどれか。
a 上腕筋
b 腕撓骨筋
c 母指内転筋
d 尺側手根屈筋
e 橈側手根屈筋
靱帯で正しいのはどれか。
a 鼠径靱帯は恥骨結節につく。
b 上肩甲横靱帯は肩鎖関節をまたぐ。
c 大腿骨頭靱帯は大腿骨頭を寛骨に固定する。
d 前十字靱帯は大腿骨内側顆の内側前部につく。
e 肘の内側側副靱帯は撓骨輪状靱帯に癒合する。
【解答】a
a 鼠径靭帯は腸骨の上前腸骨棘から恥骨の恥骨結節へ走行する。
b 肩鎖関節を跨ぐには肩鎖靭帯である。
c 大腿骨頭靱帯は過伸展を制御する。
d 前十字靱帯は脛骨の前顆間区から起こり、後上外方に走り大腿骨外側顆の内側に付く。脛骨の前方移動を制限する。
e 内側側副靭帯:上腕骨の内側上顆から尺骨の滑車切痕内側およびその下方に付く。
橈骨輪状靭帯:関節包内に面し、尺骨の橈骨切痕前縁から橈骨の関節環状面をまわり橈骨切痕縁に付く。
参考:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/鼠径靭帯
https://seesaawiki.jp/w/medireha_jiten/d/%C4%B2%B9%FC%C2%E7%C2%DC%F0%D7%C2%D3
新解剖学/p.25/p.22
d 前十字靱帯は脛骨の前顆間区から起こり、後上外方に走り大腿骨外側顆の内側に付く。脛骨の前方移動を制限する。
e 内側側副靭帯:上腕骨の内側上顆から尺骨の滑車切痕内側およびその下方に付く。
橈骨輪状靭帯:関節包内に面し、尺骨の橈骨切痕前縁から橈骨の関節環状面をまわり橈骨切痕縁に付く。
参考:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/鼠径靭帯
https://seesaawiki.jp/w/medireha_jiten/d/%C4%B2%B9%FC%C2%E7%C2%DC%F0%D7%C2%D3
新解剖学/p.25/p.22腸管平滑筋の膜電位変化を示す。
伸展刺激を与えたところ、平滑筋が収縮した。収縮が発生した機序で正しいのはどれか。
a 交感神経線維促進
b 細胞内Ca2+濃度上昇
c 副交感神経線維抑制
d Meissner神経細胞興奮
e 電位依存性 Na+チャネル抑制
【解答】b
YokaroStaff解説:
平滑筋の収縮:細胞内Ca2+濃度が上昇すると、Ca2+とカルモジュリンの複合体がミオシン軽鎖キナーゼを活性化させる。この酵素によりミオシン軽鎖がリン酸化を受け、ミオシンとアクチンの相互作用が起こり、筋は収縮する。逆にCa2+が低下するとミオシンホスファクターゼによる脱リン酸化が起こり、筋は弛緩する。
参考:新生理学/p.146
シグナル伝達分子と膜受容体機能の組合わせで正しいのはどれか。
a 一酸化窒素----G蛋白質
b イノシトール-3リン酸----イオンチャネル
c インスリン----非受容体チロシンキナーゼ
d インターフェロン----受容体チロシンキナーゼ
e グルカゴン----グアニル酸シクラーゼ
【解答】c
YokaroStaff解説:
a 一酸化窒素-可溶型グアニル酸シクラーゼ
b イノシトール-3リン酸-カルシウム依存性プロテインキナーゼ
c インスリン-インスリン受容体チロシンキナーゼ
d ×
e 心房性ナトリウム利尿ペプチド、脳性ナトリウム利尿ペプチド→グアニル酸シクラーゼ
参考:シンプル生化学/p.279~281
CD40リガンドの遺伝的欠損により生じるB細胞に関する免疫異常はどれか。
a 血IgE濃度が上昇する。
b 血中IgG濃度が上昇する。
c 血中IgG濃度が減少する。
d 血中IgM濃度が減少する。
e 高親和性IgMが産生される。
気管支喘息の治療に用いられるβ2選択的刺激薬サルブタモールの高用量の副作用で誤っているのはどれか。
a 頻拍
b 利尿作用
c 骨格筋振戦
d 平滑筋弛緩
e 陽性変力効果
【解答】b
YokaroStaff解説:
β2選択的刺激薬サルブタモールの副作用:振戦、動悸、頻脈、低K血症
a 頻拍は弱いβ1受容体刺激作用によって起こります。副作用です。
b 低K血症が副作用としてありますが、利尿作用はありません。
c 骨格筋振戦は骨格筋のβ2受容体刺激作用によって起こります。副作用です。
d 平滑筋弛緩
β2選択的刺激薬の一般的な作用ですが、高用量では過剰な作用が副作用に変わるということでしょうか。
(β2選択的刺激薬は平滑筋を弛緩させる作用があり、気管支拡張薬と子宮収縮抑制薬として使用されます。)
e 弱いβ1受容体刺激作用によって心筋収縮力が増加します。副作用です。
(陽性変力:心筋収縮力を変化させる作用を変力作用という.陽性変力作用とは心筋収縮力増大,陰性変力作用とは心筋収縮力減少をもたらす作用をいう)
参考:薬がみえるvol.1/第2版/p.37
悪性腫瘍の特性とそれに関連する異常を示す遺伝子との組合せで正しいのはどれか。
a 自己増殖の亢進----TP53
b 増殖抑制機能の不全----HER2
c 転移能----CyclinD1
d アポトーシスの回避----BCL2
e 恒常的な血管新生----RB
中毒で正しいのはどれか。
a フグ毒は加熱処理により分解される。
b 急性硫化水素中毒の死斑は緑青色を呈する。
c 有機リン系の農薬中毒では散瞳がみられる。
d 覚醒剤はアルカリ性の臓器に高濃度に分布する。
e 一酸化炭素はヘモグロビンの酸素親和性を減弱させる。
【解答】b
Claude解説:
a フグ毒(テトロドトキシン)は熱に強く、加熱調理をしても分解されません。
b 急性硫化水素中毒では死斑が特徴的な緑色を呈することが知られています。
c 有機リン中毒はコリンエステラーゼの阻害でアセチルコリンが過剰になり、縮瞳(瞳孔が小さくなる)が起こります。散瞳ではありません。
d 覚醒剤は弱塩基性の薬物で、酸性の環境(尿など)にイオントラップされて蓄積しやすい性質があり、アルカリ性の臓器に高濃度分布するわけではありません。
e 一酸化炭素はヘモグロビンとの親和性が酸素より高く、酸素親和性を弱めるのではなく逆に強め(酸素解離曲線を左方移動させ)、組織への酸素供給を妨げます。
マラリアで正しいのはどれか。
a マダニが媒介する。
b 国内での感染例が多い。
c 有効なワクチンはまだない。
d 血液中では白血球に感染する。
e 診断後直ちに保健所に届け出る。
【解答】e
YokaroStaff解説:
a マダニが媒介する。
ハマダラカ(メス)の吸血によって感染します。ハマダラカは熱帯、亜熱帯に生息します。
b 国内での感染例が多い。
日本での土着マラリアは1960年頃に消滅しました。近年は輸入感染症として重要です。海外渡航者に多いです。
c 有効なワクチンはまだない。
ワクチンの開発が進められているが,実用化されているものはないです。
d 血液中では白血球に感染する。
赤血球に感染し、増殖を繰り返します。
e 診断後直ちに保健所に届け出る。
感染症法では、四類感染症として定められており、診断した医師は直ちに最寄の保健所に届け出ることが義務付けられています。
参考:薬がみえるvol.3/第1版/p.331
イヤーノート2021/H-120 /H-14
病み免疫/第2版/p.358
大気中のフロンの増加と関連しないのはどれか。
a 酸性雨の増加
b 白内障の増加
c 皮膚癌の増加
d 感染症流行域の拡大
e 大気中の光化学オキシダントの増加
【解答】a
YokaroStaff解説:
フロン類はオゾン層を破壊し、地表に降り注ぐ紫外線が増加することで、皮膚がんや白内障などがおこります。
a 酸性雨は化石燃料の燃焼によって生じる硫黄酸化物や窒素酸化物によっておきます。大気中で酸素や水蒸気と反応し硫酸や硝酸を生成します。これらを取り込むpH5.6以下となった雨を酸性雨といいます。
b,c フロン類はオゾン層を破壊し、地表に降り注ぐ紫外線が増加することで、皮膚がんや白内障などがおこります。
d 感染症流行域の拡大は地球温暖化によるものです。熱帯感染症(マラリア、デング熱)の高緯度拡大が危惧されています。地球温暖化は二酸化炭素の増加、フロン/メタンなどの温室効果ガスの増加によって地表の温度が上昇することです。
e 光化学オキシダントの主な成分がオゾンです。
参考:公衆衛生がみえる2018/p.404
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